顔の良い男が好き

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遙か7 武蔵ルート感想~恋と剣と仲間

遙かなる時空の中で

天の朱雀・宮本武蔵ルート

 

熱い

 

これに尽きる。

いや、武蔵が暑苦しい男なんだけど、そうじゃなくて。

話の流れがめちゃくちゃ熱い。

遙かってルートで全然毛色が違っていて…今のところ全部見たのは他に長政と阿国なんですが、その3人だけでも全然違う。

長政はザ・ネオロマなロマンとカリスマに溢れたキラキラの宝塚的な王道の話だった。

阿国は逆で、切なくて儚くて……いとしさとせつなさと……儚さと強さのあいだで……という雰囲気の話だった。

それが武蔵ルートは少年漫画みたいな話だった。すげー!

萌えも燃えも感じられる武蔵ルート。

宮本武蔵については例によって全く知らず、俳優の山田裕貴が舞台でやってたな……くらいのものすごい薄い記憶と巌流島のことしか知らなかった。

終わったあとWikipediaできちんと調べたら、父親の新免無二黒田如水に仕えていて武蔵自身も関ヶ原以前に黒田家に仕えていたらしいということがきちんと書かれていた!

宮本武蔵って巌流島で佐々木小次郎と決闘しただけの人というイメージだったのでとてもとても驚きました……

 

遙かの宮本武蔵は天の朱雀らしく、とにかく真っすぐ一直線!主人公のことを姫様と呼び慕い、同じ八葉の長政の忠実な家臣でもある。

幼少期から剣豪である父に剣術を習っており、父を超える日の本一の剣豪になると公言しているものの、手合わせで勝てた試しがなく実力が伴わないことに悩んでいる。ちょっとバカなところもあるけど、そんなとこも好きになっちゃう主人公。

そして武蔵も最初から姫様大好きである。だが武蔵は恋というものを知らないのでこれまた真っすぐに「姫様のことが大好きです!」とか言っちゃう。かわいい。

ルートのフラグが立つと一気に主人公が武蔵を意識し始めるところがかわいい。こういう甘酸っぱいのを待っていたんだよ……期待以上だ……

 

事あるごとに剣の修行に打ち込む武蔵だが、異世界に来てから初めて剣を持った相方の大和にもボロボロに負かされ、悔しくてたまらない。宗矩にアドバイスを求めても、ひたすら剣を握っても思った成果は得られない。そんなとき、町で怨霊から人々を助けている謎の剣士と出会い、弟子入りする――

その師匠からお前の剣には「心」が足りないと言われてしまい、でもその理由が分からず稽古に打ち込むあまりついに倒れてしまう。

武蔵は果たして強くなれるのか?!師匠も怪しい!と思っていたら個別ルート手前で突然修行の旅に行ってきます!と武蔵。

ええー!?と慌てていたら、なんと衣装から袖が無くなって再登場。滝行してた。ちょっと髪も伸びて男前になっている。筋肉もムキムキ。

それにしたって八葉も神子も武蔵に気づかなさすぎじゃない?!気づくでしょ!

幸村と手合わせしたところ、かなり強くなっていた武蔵。大和がちょっと悔しそう。

そして相変わらず姫様のことが大好きな武蔵!それは恋だぞと師匠に指摘され、戸惑う武蔵……お、おう、ついに来たか……

恋に心を奪われるか、恋が力になるかは武蔵次第だという師匠。はあー、好き。

 

しかしこのルートでも平島義近がラスボスになるが、阿国ルート以上に憐れな人だった。人の欲望とか憎悪に関しては容赦ない描写をするネオロマ。平島殿の怨念が詰まったキャラソンが出そうな勢いだ。

最終決戦は師匠(=怨霊となった足利義輝)で実に燃える展開だったが。本当に燃えた。

阿国をやっていて残念だったのがやっぱり八葉が最後に揃わなかったところなのだが、武蔵はしっかりと全員揃ってラスボスに臨めた点が最強で最高の演出だった。

しかも四神コンビでそれぞれ手を組んで、主人公と武蔵の行く手を阻む敵を足止めする……!こんなの好きになるに決まってる。あ~~~さすがに来ないのかな~~~~~と思ってた白虎まで来た~~~~~~~~!武蔵の背を押す長政、めっちゃ良い上司だ。大和から年寄り扱いされる白虎!ヨッ!待ってました!

一番若さが爆発しているふたりを、周りの大人や友達が手助けをする……関ヶ原の合戦真っ最中なのに?!そんなことはどうでもいい、ここは俺に任せて後はお前たちが行け―!って最高でしょ。八葉なんだもん。

最後まで主人公と武蔵の傍にいて、ラスボスの一歩手前で足止めを買って出る大和がまたさらに最高潮に熱い男である。武蔵と大和が打ち解けて「友達」になっていく経過がいとしすぎる。その決定打が、互いに背中を預ける武蔵と大和のスチル。

これだよこれ、私の好きな遙かは!とテンションが上がりまくった。

最初はクール一辺倒で、熱血漢な武蔵のことをバカにしていた大和が、俺に任せて先に行け!なんて熱く宣言したら泣いちゃうよ。泣いちゃった。

そして怨霊と化した師匠の元へ辿り着く武蔵と主人公。

師匠を討つことに葛藤することなく、師匠に感謝しながら龍神の神子に浄化してもらうべきだとスッパリ言い切るところが男前すぎた。師匠も超良い人で、本当に武蔵のためを思って剣を教えていたんだなということが分かる。なんて気持ちのいいボス戦。

最後は満を持して、八葉全員でラスボス戦だ。はあーーーーーー燃え尽きちゃった……だって最高だったんだ……

 

エンディングで武蔵は、現代に帰らなくてはならない主人公に告白をするものの、「日の本一の剣豪になる」という確固たる夢ができたため、現代へ行くこともできないと言い切る。

天の朱雀って武将とかではないけど守らなきゃいけない家族がいたり、仲間の中で何かしらの役目を持っていて、それを捨てるっていうのは実際のところ結構ヘビーな話で。

主人公だって今回は織田の姫とはいえ現代で暮らした時間の方が長く、家族や友人がいるのだ。

ヒノエだと全部手に入れるって言ってアレしたりしたんですけど。現代に戻る・異世界に残るっていうのを交際相手と議論?した話は珍しいのではなかろうか……

最後のスチルは可愛さ全開だった。しかも主人公から抱き着いている。可愛い。いやー良かった。

王道少年漫画的展開に甘酸っぱさをたっぷり詰め込み、恋に悩み剣に励み、楽しい仲間たちに見守られ成長したふたりの素晴らしい物語だった。